アタシはまた、公園のブランコに座っていた。

今日の試合も、見事に勝利。

内容も前回よりは、数段良くなっている。

去年の試合は二回戦で負けたらしく、皆んな今日の勝利でがぜん盛り上がっていた。

亜子ちゃん…来ていなかったのかな??

スタンドを探したが、亜子ちゃんの姿を見つける事は出来なかった。

「…マネジャー??」

「旬磨先輩!!」

左手に、重そうにコンビニの袋を持っている旬磨先輩がいつの間にかそこにいた。

「何してる??
暗いのに、危ないぞ。」

この公園の中は、あまり街灯がない。

「今、帰ります。」

ゆっくりと立ち上がる。

「先輩、…買い出しですか??」

「ああ、二年で今日の反省会してるんだ。俺、キャプテンなのにジャンケンで負けて、買い出し係。」

先輩はハハハ、と笑う。

「じゃ、一緒に行こうか。」

「………。」

アタシは先に歩き出す。

ドサッ

背後から聞こえた大きな音。

「先……輩??」

その音に振り返ると――。

旬磨先輩が両腕を伸ばし。

力強いその腕にすっぽりと包まれていた。

「!!」

「…ごめん。」

「先輩……??」

突然の事に、動く事も出来ない。