30分程休憩を取り、また焼きそば作りを再開する。
今日は買い出しした分だけ作りきるので、あと1時間程で終りそう。
アタシ達はまた焼きそばとの格闘が始まった。
気がつけば、調理室の空気が変わっていた。
見渡すと数少ない女子達が騒いでいるみたい。
何かあったかな??
辺りを見てもよく分からない。
色んな人が出入りしていて、開けられた窓から気持ちいい風がこの部屋に流れる。
アタシは作業を続ける。
「ねぇ…。」
人の気配に気付き、顔を上げた瞬間とその声が重なる。
「??」
あ、この人…??
「もう大丈夫??」
さっきの…人…??
さっきはスーツ姿で、今は制服なのですぐには分からなかった。
「あ、はい。
大丈夫です。」
アタシは首を上下に振る。
「そうか…。」
彼は目線を下げる。
「先輩!!どうしたんですか??」
声を出したのは長浜くんだった。
「…お疲れ!!焼きそば欲しいんだけど、数が多いから、直接ここ来た。」
「ありがとうございます!!いくつ要りますか??」
「んと…20個。」
長浜くんはアタシが詰めている焼きそばのプラスチックの入れ物を数える。
「大丈夫です、今袋に入れます。」
長浜くんは素早く袋に焼きそばを詰め込む。
アタシも一緒に袋に詰め込む。

