「私、観覧車に乗りたい!!」

そろそろ帰ろうか、と話はじめた時、亜子がそう言い出した。

観覧車なんて、そ、そんな物どこに??

「いいね、乗ろうか!!」

ヒロ先輩は誰に返事を聞く事もなく、歩き出した。

マジですか…??

亜子が嬉しそうに続く。

「どこに、観覧車あるの??」

アタシの中では『観覧車』は遊園地にある物だ。

屋上にあるの、と嬉しそうに教えるくれる亜子。

全然気付かなかった。

「それでね…。」

亜子の声が小さくなる。

「好きな人と乗ったら、その恋が上手くいくんだって。」

あ~なるほど。

勇気、出したね亜子。