「そんなお前が、いきなり好きな子が出来たんだから、ビックリだよ。」

ヒロは腕を組み、俺をマジマジと見た。

「それは…しょうがないだろ。」

声が段々と小さくなってしまった。

「ま、好きな子の一人や二人いるのが普通だと思うけど。」

……好きな女はひとりでいいけど。

ヒロは万桜ちゃんを見ていた。

きっとコイツも俺と同じ気持ちなんだろう。

バスに揺られながら、目的地のショッピングモールを目指す。

みんなが…万桜ちゃんが楽しく過ごせたら、それでいいとしよう。