それに驚き、千葉はハードルを落としてしまう。
そのせいで余計に大きな音が倉庫内に響く。
「おい、大丈夫か」
「……ああ」
音がしたほうに気を取られながら、もう一度目的のものを手にする。
「……早く戻ろう」
足早に倉庫から出る。
あんな薄暗い中で物音がすれば、誰だって恐ろしくもなる。
ましてあんな噂があるところだ。
信じていなかったが、その恐怖体験をすれば呪われたかもしれないと思ってしまい、気分が悪くなっていった。
千葉は教師にハードルを渡すと、気分が優れないからと言い、木陰で休むことになった。
しかしすぐに落ち着いてきて、千葉は授業に参加した。
◇
授業が終わり、元の場所に戻してこいという教師の指示に従い、千葉を筆頭に、今度は四人で倉庫に向かった。
その中には、また野田がいる。
できることなら、あの倉庫に近付きたくなかったが、一人になりたくないのもまた事実だった。
「大人数で行こうなんて、千葉、やっぱり怖いのか?」
瀬畑が笑うと、つられるように小河も笑う。
野田はあの不気味さが記憶に残っていて、一緒になって千葉を笑うことができなかった。
「……なんとでも言え」
千葉は否定する気力もなかった。
あの体験をしていないから、俺をバカにすることができるのだ、と心の中では言っていたが、それを言ってさらに笑われるのも嫌だった。
だから、拗ねるようにそう言うしかできなかった。
そのせいで余計に大きな音が倉庫内に響く。
「おい、大丈夫か」
「……ああ」
音がしたほうに気を取られながら、もう一度目的のものを手にする。
「……早く戻ろう」
足早に倉庫から出る。
あんな薄暗い中で物音がすれば、誰だって恐ろしくもなる。
ましてあんな噂があるところだ。
信じていなかったが、その恐怖体験をすれば呪われたかもしれないと思ってしまい、気分が悪くなっていった。
千葉は教師にハードルを渡すと、気分が優れないからと言い、木陰で休むことになった。
しかしすぐに落ち着いてきて、千葉は授業に参加した。
◇
授業が終わり、元の場所に戻してこいという教師の指示に従い、千葉を筆頭に、今度は四人で倉庫に向かった。
その中には、また野田がいる。
できることなら、あの倉庫に近付きたくなかったが、一人になりたくないのもまた事実だった。
「大人数で行こうなんて、千葉、やっぱり怖いのか?」
瀬畑が笑うと、つられるように小河も笑う。
野田はあの不気味さが記憶に残っていて、一緒になって千葉を笑うことができなかった。
「……なんとでも言え」
千葉は否定する気力もなかった。
あの体験をしていないから、俺をバカにすることができるのだ、と心の中では言っていたが、それを言ってさらに笑われるのも嫌だった。
だから、拗ねるようにそう言うしかできなかった。



