その時だった。 その透明の壁に反射して映るある人影に目を止める。 なんか見たことあるような……。 そう思って振り向くとやっぱり……。 「一条だ」 一条が私に背を向けて歩いていた。 手には何か持っている。 声掛けよっかな。 「いちじょ……っ、え」 その時にやっと気づいた。 隣にいる一条より頭一個分小さい小柄な女性。 2人で楽しそうに話しているの姿。それに私は固まる。 その女性をよく見ると知っている人だった。