「教師だから、生徒だから、と。あの時先生の取った態度は、世間一般では正しいかもしれない。皆の今の反応も、それが普通かもしれない。
でも人の感情なんて、そんな理屈じゃないだろ?
先生は自分の立場が危うくなるかもしれないのに。その感情のままに、俺を選んでくれたんだ」
そこで檜はスゥッと息を吸い、声を張り上げた。
「それのどこが悪い!?
教師とか生徒とか、そんなのを前に、俺らは一人の男と女なんだ!
ただ純粋に想い合って付き合っただけなのに、これの何がいけないんだよ!?」
いつの間にか体育館はシンと静まり返っていた。生徒たちは皆、一様に檜を見つめ、言葉を無くしている。
ーーああ、そうか。
その様子を見て、ようやく理解した。
彼らはきっと知りたいんだ。本当の事を。
教師と生徒の恋愛はご法度だと、むやみにあたし達を責めたいんじゃない。大人に嘘で丸め込まれるのが嫌なんだ。
静寂の中、スッと誰かが手を挙げ、「俺は檜の意見に賛成だ」と声が聞こえた。
檜と同じクラスの、内田くんだ。
「教師も人間。男と女なら、互いに意識してそれが恋愛感情に変わっても何ら不思議は無い。そうだろ?」
「はい! 俺も俺もっ! 檜とウッチーの意見に賛成~!」
内田くんの意見に導かれ、俺も私も、と三年生を中心に、みんな檜に賛同していく。



