「いえ! 全てが事実とは言いませんっ」
「…….じゃあ」
「全ては私の責任で、秋月檜くんは関係ありません!」
「と、言われても。現にああして写真もある訳だし」
「……あれは。私が一方的に彼に好意を持ち、彼に抱き付いたまでです。責めは全て、私にあります。
こんな形で彼を巻き込むなんて、考えてもみませんでした。だからどうか、処分は私だけで」
お願いします、と頭を下げ、真摯に訴え掛けると、校長先生は「分かったから」と言ってぎこちなく笑った。
ーーこれでもう終わる。何もかも。
あたしは生徒に手を出した淫行教師のレッテルを貼られて、教員免許も無くなる。
けど、もうそれで良い。
教師じゃなくても、仕事は見付けられるし、檜が居なくても……。
それから急な臨時集会が体育館で執り行われた。
教師であるあたしの相手が、生徒に影響力のある檜だから、ひっそりと問題を片付けるに至らなかった。
全校生徒が揃い整列が完了した所で、一年生の教師が扉を閉める。
あたしは三年生の教師が並ぶ前の方の列で、虚ろに足元を見つめたまま立ち尽くしていた。この問題がまるで他人事のようで、集会が早く終わる事ばかりを考えていた。



