そんなとき、

「ユウト。
気持ちは分かるけど、
あんまりまつりをいじめないでくれるかな。」

って...。

「別にいじめてねーし。
本当のこと言ったまでだろ?」

「ユウトの言うことも間違っていないとは思うけどね、まつりの気持ちも分かる気がするんだ。

まつりはもちろん、俺のこと少し特別に思ってくれてるから言ってるってこともあるかもしれないけど、
それ以前に、俺のこと仕事上においても
管理してくれるマネージャーさんだからね。
俺はその仕事を立派にしてくれてるだけでもまつりにすごく感謝してるんだ。」

「まあ...佐伯はそうかもしれないけどさ。」

「うん。俺も結構、頓珍漢なこと言ってるかもしれない。

でも、さっきみたいに強く言っちゃうのは、
いつも頑張ってくれてるまつりが、

あまりにも可哀想なんじゃないかって
思ってね...。女の子だし。」

「お前もマジ、こいつに甘いのな。」

「ほんとだね。」

こうやって、仕方なく佐伯さんが笑ってくれると、今までのこと、
水に流せるような感じ...。

「あー、やっぱこいつには敵わないか...。」

「まつりに?」

「ああ、悔しいけどよ。
あくまで佐伯は、
こいつのことが好きなんだって。」

佐伯さん、意味分かってるかな...。

「もちろん、ユウトのことも好きだよ。」

「あーいいよ、別に。
気つかってくんなくてもさ。」

「気を遣ってるわけじゃないんだけどな。」

「分かってる。
佐伯は誰にでも優しいもんな。」

「ユウトに優しいなんて言われるの
初めてだね、嬉しいな。」

「...そうかよ。」

「うん。」

私も...佐伯さんのことを想うあまり、
言い過ぎてしまったかもしれない。

「まあ...さっきは言いすぎて悪かった。」

「いえ...私こそ、すみませんでした。」

「別にもう...盗ろうとか考えないから...。」

「...そ、そうですか...。」

なら、まあ...。

「とるって何の話?」

「佐伯には関係ねえ話だよ。」

「えっ...2人でなにを...?」

「あ、佐伯さん気にしないでください。
この人が勝手にまた楽屋のスペースとってやるとかわがまま言い出しただけなんで...。」

「おい、そんなこと...ま、いいか。
似たようなもんだし。」

そんな感じで、佐伯さんにはちょっと誤魔化しながらも、少しずつ解決...。

したと思ったら、しばらくはやっぱり独占的なのが続いた気がするけど、良い友だちにはなったみたいでまあ、良かったかな?