「や~ん!まさかこんなレベル高い人がいるなんて!!」
「さっすがアキね!!やっぱり私と付き合おうよアキっ」
はしゃぐ女たち。
向かい合うような形でカラオケボックスに座った6人。
「……」
隣が見れなかった。
それはキレてるに違いないから。
「じゃあまずは自己紹介ね!私は花崎(はなさき)女子3年、清水 舞花(しみず まいか)!」
「同じく3年の笹山 佳純(ささやま かすみ)ですっ」
「…2年の、有沢 夏実(ありさわ なつみ)…です、」
ふむふむ、最後の2年生の子は大人しくて謙虚なタイプと見た。
いちばんに友達になれそうだ。
…なんて思う私とは反対に。
「いでででで…っ!」
「ちょっとなに~?いま自己紹介中なんだけど~」
「す、すみません…」
さっきからグイグイと肘で脇腹を押してくる先輩。
痛い、ひじょーに善からぬツボを押してくる。それにちょっと力強い。
それもそうだ。
『一緒にカラオケ行きませんか!!』
なんて嘘で誘き出してしまったのだから。
あれから少し気まずかったけど、私は変わらず男として彼に接した。
だから前みたいにまた話せるようになっていて。



