まぁ期待はしてなかったから、どーせ来ないだろうと思ってたのに。
ガバッと顔を上げて「行く!!」と、瞳をキラキラさせたチビ。
「…お前もちゃんと男子高校生で俺も安心したよ」
「え?どーいうこと?」
「だってお前、どーせヤッたことないだろ?」
「なっ…!!」
うっわ~…ウブすぎ。
そんな顔赤くなる?
爆発しちゃうんじゃないの?
明らかにバレバレだし。
というか、俺がもし女だったらお前とだけは確実にヤりたくない。
「てっきりお前はホモだと思ってたからさ」
「そっ、そんなわけないだろっ!!」
今日はどうやらレベルが高いらしいから。
俺と藤城サンが揃えば、オンナは文句言わないだろう。
……あとはこいつか。
「俺はただ仲良くしたいだけなんだって…、」
チビはまぁ、悪くはない。
悪くないけど、男らしくない。
頑張って男になろうとしてる女みたいな感じ。
「とりあえず藤城サン誘っておいてね」
「りょーかい!ありがとアッキー!!」
ほら、夏祭りの女の子とまったく同じに重なる。
お前じゃないの?あの子。
じゃあ誰?本当にドッペルゲンガー?
まぁいいや。
けど、また会ったら名前だけでも聞いておきたいかな。
『名前はありませーーーん!』
なんてさ、あんなの面白すぎるでしょ。
「…なにニヤニヤしてんのアッキー。きっもちわる…」
「どっちの目つぶされたい?」
「冗談ですごめんなさい」
*