「それに───、秋斗くん…?」


「…ごめん。あのときはまさか女の子だとは思ってなくて、」


「…うん」



ぎゅうっと、包みこまれる。


でも“アッキー”には悪いけど、私は悪いことなんて思ってないんだよ。

だってそんな毎日がすごく楽しかったから。



「それに俺、見せたくないもの見せた。
…ほんと最悪だ」



見せたくないもの…?

なにか見せられたっけ…。



「…あんなオンナとさ……、あー、ほんとなにやってんの俺、」



あ、たぶんアレだ。

膝の上に乗るギャル、その腰に手を回すアッキー。

目の前で繰り広げられる、濃厚なキス。



「今になって後悔してる。あんなに青葉ちゃんは言ってくれてたのに…、俺、自分で自分を殴りたい」



マイクを大音量にして、私だけ息を荒くさせてたっけ。

それはいま思い出すと逆に恥ずかしい。



「確かに私には程遠いなぁって思ったよ。住む世界っていうのかな…、そういうの、違うなって」


「今は絶対してないから!!」



ガバッ!っと、埋めていた顔を上げてくる。

彼のこんなにも必死な姿を見るのは初めてだった。



「この先も絶対しない。青葉ちゃんだけだよ俺」