キミの世界で一番嫌いな人。

秋斗side




「田舎だねえ」


「うん、電車も1時間に1本しか出ないから乗り遅れたら地獄だよ」


「でもここには青葉ちゃんがいるから俺はこっちのほうがいいけど」



かあっと、顔が赤くなる女の子。

青葉ちゃん、なんて。
俺だってこっ恥ずかしいよ、こんなの。


でもお前はもうチビじゃない。

スカートはもう少し短くてもいいんじゃないの?と思うけど、まぁ他の男に隙作らないためにもいいか。



「アッキーは…、」


「“秋斗くん”」


「あっ、秋斗くんは…今日、帰るの?」



なに?帰らないでほしい?
なら別に俺、帰らないけど。

…なんて言ったら爆発するんじゃないのってくらいの顔してるから、黙っておこう。


どうやらまだ俺を友達から男として見れてはいないらしい。

それでもキスしたし、伝わってるはずだ。

伝わってくれないと困る。



「一応そのつもり。明日も学校あるしね」


「…なんか…ごめんね…、」


「俺が会いたかったから来てるんだよ、青葉ちゃん」



こうして会えたし。

だからまぁ、藤城サンにはそこだけ感謝してる。



「手、つなごっか」


「…う、うん、」



あー、なんだろ。
こーいうの初めてかもしんない。

付き合いたての中学生かよ。


でもこんなに緊張するものなの?