「俺は確かに頑張らなくていいって言ったよ?でもこんなにソッコーやめるとは思わないじゃん、さすがに」
あははっと、笑い声が響いてはすぐに止んでしまうから。
思わずぎゅっと、スカートを握りしめた。
目の前が見れない、目を伏せることしかできない。
いろいろ言いたいことも謝りたいこともあるけど、なんて言ったらいいか分からない。
「まぁとりあえず。…会いたかったよ、チビ」
「っ…!」
ふわっと、アッキーは私を抱き締めた。
その腕のなか、すっぽり埋まってしまって。
あれ…?
私ってこんなに小さかったっけ…?
なんて思っていると「伸ばさないの?」と、変わらない長さの髪をサラッとすくうように触れてくる。
「……うん」
「…チビのショート、好きだよ俺」
ずっとこの長さでいるって決めた。
私だってリスクが無いとだめ。
許されないよ、やっぱりそんなの。
「…ご、…ごめん……っ、」
変わらず接してくれる彼に、謝った。
謝ることしかできない。
男友達らしく、その背中に腕を回すことなんてできない。
だって私、いまは女だ。
アッキーは女は友達にはしないから。
私たちはもう、トモダチじゃない。



