キミの世界で一番嫌いな人。





ごめんね、アッキー。
約束を守れないかもしれない。

バレたとしても、バレなかったとしても。


先輩が卒業するまで見守って、その先。

それでもアッキーと今までどおり、変わらず友達として馬鹿やって、湊川で卒業するって。

できればそうしたいって思ってた。


私がいないとつまんないって言ってくれたから。



「小鳥遊 青葉は、“俺”です。俺は……女です。“私”は…、小鳥遊 青葉の双子の妹なんかじゃないです」



結局、私は何がしたかったんだろう。

先輩の傍にいたいって、先輩に笑って欲しいって。


先輩先輩って、言ってたけど。


何よりもそれを望んでいたのは私だ。

そんなのただのエゴで、ぜんぶ自分のためだった。




「…お前はやっぱり…、あいつの娘だな」




先輩は今にも泣き出しそうな顔をして、部屋を出て行った。