キミの世界で一番嫌いな人。





「…お前ベッド使っていいよ。俺ソファーで寝るから」


「いや俺がソファーでいいよ!」



どうやらそこまではさすがに違ったらしい。

俺じゃなくて私だろ、なんて。

もうどーせ知ってるんだし、2人きりのときは隠さなくていいのにとも思う。


だけどそれはこいつなりに頑張ってるってことで。

俺はそれを見守るって決めたし。
ほとんどいつも助けてやってるけど。



「いやいいって。おまえ寝相悪そうだし、ぜったい落ちる」


「大丈夫だって!それにほらっ!」



するとチビはソファーに寝そべると、仰向けになって俺を見つめて笑った。



「大きさぴったりなんだよ!俺の身長に合わせて作ってあるよきっと!」



なに言ってんのこいつ。

ほんと、そーいうとこなんだよね。

あー、だめだ。
女にしか見えない。



「…わかった。寝付けなくても交換してやらないから」


「おうっ」



一緒に夜食を食べてテレビ見て、他愛ない話をして電気を消して。

カーテンの隙間から覗いた月の光が一筋射した頃。


それだけでソファーに仰向けになったチビの表情がよく見える。