キミの世界で一番嫌いな人。





バシャッ───!!



「っ…!」



それは綺麗に私の顔面へと。


中に入っていたジュースは半分以上残っていて。

アッキーはどうせあとでまた飲むからと、私を送ることを優先してくれたのだ。


だからこそ盛大に私にかけられた、グレープ風味のジュース。



「行こっ!」



八つ当たりをしつつも満足したように去ってゆく女ふたり。

アッキーの両親も何事かと目を見開いていた。


ベットベトだ…。
ブドウの匂いがぷんぷんする。

あーあ、帰ったら制服洗わなきゃ。



「青葉くん!上がっていきな!お風呂入ってくれていいから!」


「え、こんなの全然大丈夫なんで!」



毎日受けてるわけだし…。

ただ帰りの電車が少し恥ずかしいくらいで。



「大丈夫なわけあるかい!まったくなんなの最近の子は!!秋斗!ほら青葉くんを案内してやって!」



それから腕を引かれるように案内されるがまま、奥の部屋へ連れて行かれた。


普通の一軒家になってる…。

お店の裏はこうなっているのかと、呑気に考えてしまう私。



「青葉くん、下着の替えもここ置いておくからね」


「あっ、下着は濡れてないので大丈夫です…!」


「そう?遠慮なんかいらないってのに」



遠慮はしてない……。

物理的に履けないわけなのだから。


お風呂から上がれば、アッキーの物だと思われるスウェット。

それに着替えてリビングに向かうと、すでにアッキーのお母さんは夕飯の支度をしていた。