キミの世界で一番嫌いな人。





きっとこれが普通の反応なんだ。

アッキーは優しすぎたから、感覚が麻痺しちゃってて。

これが当たり前。


ゆっくりスマホを取り出して、“先輩”と表示された番号に電話をかける。


プルルルルル───…、


おねがい出ないで、留守番電話になって。

……気づかないで。



『……もしもし。』



さっきまで聞いていた声に、唇が震えた。


目の前の彼女は私を睨み付けている。

女としてすべて話せと、夏実ちゃんは言っているのだ。

さっきはあんなにも楽しかったのに。



「せ、せんぱい…?」


『…おまえ泣いてんのか?どうした?』



嫌になる。
こーいうときに限って優しいんだもん。

困るよ、本当に。



「今日…、妹と楽しかったですか…?」


『…あぁ。俺、けっこう前にお前の妹にひどいことした。…悪かったって伝えといてほしい』



そんなの自分で伝えてよ。

伝言みたいにして、そうすればいいとでも思ってるんだ。

でも今、伝わったよ。



「先輩…あのね、兄貴だから言いますけど……、妹は、たぶん先輩のことが好きです」