キミの世界で一番嫌いな人。





「ふーー…」



随分と静かになっちゃった。
さっきまで賑やかだったのに。

やっぱりアッキーを泊まって行かせてもぜんぜん良かった。

どうせお父さんは帰ってこないし。



「着替えなきゃ」



ウィッグをパサッと外すと、一気に解放感に包まれる。

ワンピースも脱いで、ついでにそのままシャワーでも浴びちゃおうか。


───と、そのとき。


ピーーンポーーン。

インターホンが鳴った。
モニターに映る女の子は、夏実ちゃん。



『すみません、忘れ物をしてしまって』


「忘れ物…?あっ、じゃあ開けますね、」



オートロックをガチャッと開けて、マンション内に案内する。


どうしよ、またウィッグ被らなきゃ。
というより忘れ物なんかあったっけ…?

見るかぎり無いけど…。


少し経てば、もう1度玄関先でチャイムが鳴った。



「あの…忘れ物って」


「中にあがっても大丈夫ですか…?」


「…どうぞ」



なんとかウィッグも被り直して、元通りの姿で出迎える。