「これは私が入院してた頃ので…」
「入院?どこか悪かったの?」
「…昔は身体が弱くて」
バースデーケーキを持った私と先生たち。
その中にはコーちゃんもいる。
手術前の誕生日だったんだっけ…。
その日、お父さんは来てくれなくて。
私は先生たちに囲まれて祝ってもらった。
「今とあまり変わってないね」
「…ほっといてください」
ひょいっと、その写真はアッキーの手から先輩へ渡った。
じっと見つめては、細まった目。
「…確かにぜんぜん変わらねぇ」
え、そんなに私って成長してないの…?
背だって伸びたし、10歳に比べれば大人に近づいてると思ってたのに。
あれから先輩とこうして会うのは文化祭以来だった。
もちろん学校では男として変わらず会ってるけど…。
「ねぇ、チビは小さい時どんな子だったの?」
「えっと…誰に対しても人見知りしないような、元気な子でした」
もちろんそれは私の話。
昔から病院に来た新しい友達には自分から声をかけていたっけ。
「あいつらしいね」と、アッキーの笑い声が響いた。
「…お前は、どんな奴だったんだよ」
バチッと合う目。
私はどんな子だったって、そんなの知ってどうするの先輩。
知りたくないでしょ、
大嫌いな女のことなんか。



