「俺が案内するよ!ついてきて!」


「あっ、ありがとうございますっ!」



ごめんアッキー、ちょっと遅れるかも…。

さすがにあの合コンのお詫びも含めて断れなかった。


この子、普通にいい子だし。



「あ、先輩っ!」



と、スーツ姿の男を発見。

確かホストだっけ…?

うわぁ、一際目立ってる…。
アッキーといい勝負だ。


みんな先輩目当てだってのがわかるくらい、お客さんの女の子たちは目をハートにさせていた。



「お前が着るといいとこの坊っちゃんみたいだな」


「それ、アッキーにも言われました!どーせ俺はちんちくりんですよ」



怠そうにしながらも駆け寄ってきた先輩は笑った。


似合ってる、すっごく似合ってる。

あえて着崩さないようにピシッとキメてるからこそ、逆に格好いい。

左耳のピアスだってアクセント。



「で、なんの用」


「あっ、この子が先輩に会いたがってて、」



私の背中に隠れていたから、ぐいっと差し出してあげた。

先輩は「あぁ」と言って、そのまま彼女を案内していく。


─────チクッ。



「…い、…痛い……?」



胸に針が刺さった…?いや、気のせい…?

そんなことより私も戻らなきゃ!