秋斗side




「これが生八ツ橋で、こっちが阿闍梨餅です!それでこれは漬物セット!ご飯のお供にどーぞっ!」


「…食い物ばっかだな」


「あっ、ちがうほうが良かったですか…?」


「…別に」



なるほどね。

いつもこの人はどこに生息してるんだろうと思ったら、立ち入り禁止の屋上だったとは。


京都のお土産を広げるチビ。
そこに俺も一緒に参加した。

まぁ、俺たちトモダチだし?



「お前、写真くだらねぇの多すぎなんだよ。まじブロックしようかと思った」


「あははっ、楽しさ伝わるかなって思ったんですよー」


「…こっちは授業中だってのに」



でもそれって、授業中でもちゃんとチェックしてたってことじゃん。

チビも返信がくるから浮かれるわけだし。



「でも最終日の2ショットはなかなか良かったでしょ?」



俺が会話に混ざると藤城サンは少し黙ってから、「普通」と言った。


この人はいつも俺にどこかよそよそしい。
まぁいろいろあるから当たり前だろうけど。

いつか本気で殴り合いは必ずするつもりだ。


いい加減、決着つけたいし。



「それで俺、女装させられちゃって!」


「女装?」


「いろいろあって浴衣着たんですよー!今となってはいい思い出ですけどっ」