それからアッキーと行動をあまりしないまま、気づけば最終日の夜。
ホテルは相部屋だから気まずくて、目も合わさない修学旅行。
もう…正直に言ったほうがいいような気がした。
「ふたりで話したい」と伝えて、時間を作ってもらった夜。
「で、話って?眠いんだけど俺」
「…ごめん、」
「あ、そういえば帰宅の報告しなかったでしょお前。なんか知らないけど相部屋の俺が山田に怒られたんだけど」
俺ってお前の世話役とでも思われてんの?と、彼は笑う。
「…ごめん、」
「チビさぁ、この前から“ごめん”しか言ってないよ」
もう1度静かな「…ごめん、」が出た。
ツインベッドが並ぶ1室、窓際の椅子に座るアッキーはペットボトルのお茶をグビッと飲んだ。
そんな私はベッドに正座。
「俺たち、トモダチはもう解消かな」
沈黙が破られて、勢いよく伏せていた顔を上げてしまった。
解消───…。
そう言ってくれたってことは、少なからず彼は私のことを友達だと思ってくれていたってこと。
罪悪感がぶわっと押し寄せてくる。
これが学校に広まれば、確実に退学だ。
「だって俺は男女の友情は信じてないからね」
本当はもしかしたらって、思ってた。
あのとき暗かったから、見えてなかったんじゃないかって。
だって普通なら今頃とっくに広まってるはずなのに。



