「やめろ…っ!」



少し離れた場所で殴ってるアッキーは、私を男だと思っているから、脱がされたとしてもそこまで心配にはならないのだろう。


私の浴衣の帯は容赦なくほどかれてゆく。

お酒臭い…、気持ち悪い……。



「や…っ!…やめてっ、」



とうとう泣いた私を見ては「女みたいな反応やわ」と、楽しそうに笑う男。



「いやだっ……、せんぱ───」


「うがァ…ッ!!」



馬乗りしていた男の頭をドガッ!!と殴ったのはアッキー。

見下ろされてはため息が落ちてくる。



「意外と泣き虫だよね、おまえ」



地面には倒れている4人。

ピクピクと痙攣していたり、泡を吹いていたり。



「レンタル屋の時間すぎてない?追加料金かかったらチビの実費だから」


「う、うん…、」


「ほら、さっさと立て───、……。」



アッキーの言葉は止まった。

視線の先には、私のはだけた浴衣から覗いたサラシ。



「っ…!!」



咄嗟に隠したけれど、一気に緊張と不安が襲ってくる。



「……怪我は、…どこか触られたりとか、」


「な、ないよっ!俺こう見えても男だから…っ!」



バカだ……。

わざわざ言ったら逆に不信感を煽るだけなのに。



「い、行こうアッキー、」



そのまま逃げるように男に戻って、ホテルへ向かった。

そのあいだ、アッキーとの会話は一切なし。