それから歩いて、お参りをして、パワースポットへ行って。
甘いものをたくさん食べて。
「チビ、そこ危ない」
「わっ…!…ありがとアッキー」
「…ん。」
歩きづらい道は手を貸してくれて、転けそうになればそれ前に支えてくれて。
なんかアッキーがアッキーじゃないみたいにアッキーで。
「てか、藤城サンに写真送らないの?これこそ送るべきでしょ」
「…さっきたくさん送ったから、いいや」
こんな写真なんか送れないよ。
それこそ本当にブロックされちゃうかもしれない。
いちばん見せちゃだめなやつだもん。
「アッキー…、カーディガンごめん。嬉しくて楽しくてつい…」
「…ズルいねこれ。なんか許しちゃうから」
「え…?」
そんな中、1通だけ、初めて先輩からメッセージが届いた。
“大丈夫か?”って。
先輩がそんなこと言うなんて違和感しかないけど…。
大丈夫です、と返信をしておいた。
「ううん、なんでもない。そろそろ浴衣屋に戻ろ───…の、前に」
だんだん暗くなってきて、少し静かな路地裏を歩いていた私たち。
「いいかげん出てこいよ。なにコソコソしてんの」
ピタリ、アッキーは立ち止まった。
え……?
誰に言ってるの…?
と、思っているあいだに4人の男たちに囲まれていた。
そこまで若いわけでもなく、お酒の匂いをまとわせる男たち。



