「もー…ホント、気持ちはわかるけど、食べきれる量だけにしなって」
「いけると思った」
「気持ちだけあったってしょうがないじゃんか」
…たしかになぁ。
想うだけじゃ翔斗は振り向いてくれなかった。
1ミリも私のこと見てくれていなかった。
私の気持ちだけあったって、翔斗の気持ちはずっと'あの子'に向いていた。
ああ、つらい。思い出すと泣けてくる。
だけど、でも、好きだったんだ。どうしようもないくらい、翔斗のことが好きだった。
「好き」って簡単にやめられないんだなぁ。
美味しいものをたくさん食べてもなくならない気持ち。
忘れるにはどうしたらいいんだろう。



