「はあ、もう。ほんと私もう行くから」 「うげー、エナちゃんのせいでチーク取れた」 「そうなったのは誰のせいよ」 「私でえす…」 そんなやり取りをしてエナちゃんと別れ、私は右手に持った大きな紙袋を揺らしながらバイト先に向かう。 今日の流れとしては、私もエナちゃんも偶然17時からのシフトになっていて、それまで買い物にいこうということになったのだった。 目的は、明後日に控えた花火大会の準備物───浴衣を買いに行くこと。