.
.



「じゃあ、時間とかはまた連絡する」

「わかりました。送ってくださってありがとうございます」

「ん。また来週ね、紘菜ちゃん」

「…はい」





三琴先輩とはそんな会話をして別れた。



家に着き、癖づいた日課でベッドにダイブする。



リビングから「ごはんはー?」というお母さんの声が聞こえて来たけれど、今の私は正直空腹よりも胸の高鳴りが勝っていたので、「お風呂あがったらたべるー」と返事をした。


ちなみに、時刻はすでに22時半を回っていたので深夜帯のご飯はかなり不健康である。





三琴先輩と花火大会。


翔斗じゃない男の子と行くのも、誘われたのも、全部初めてだ。




​───三琴先輩のことを意識せずにはいられない、



そんな自分がいることを自覚してしまい、ベットの上でひとり悶えたのは、蝉が寝静まらない夜のことだった。