「、別れたばっかならなおさらなんだけど。三琴の失恋に紘菜を巻き込まないでやれよ」
「何の話？」
「…紘菜は男慣れしてないんだよ。優しくされたら流されてすぐ好きになるから。慰めてほしいとかなら、紘菜じゃない女に当たれよ」
ああ、ホント、最悪だ。
私が翔斗に告白したことは迷惑に値することだったのかもしれない。
『俺が優しくしたから好きになっちゃったんだろ』と、まるでそう言われているように聞こえてしまった。
男慣れしてないから。単純な女だから。
ただの幼馴染でいられなくてごめんね、
好きになってごめんね、
迷惑かけてごめんね。
好きになりたくてなったわけじゃなかったの。
でも、ちゃんと恋だったの。
謝罪の言葉しか出て来ない。
だけどそれらはぜんぶ言葉にできなくて、代わりに視界がどんどんぼやけていく。
「…っ、」
被害妄想かもしれない。
めんどくさい女って思われているかもしれない。
それでも今、この瞬間で、翔斗への気持ちをぜんぶ否定された気分だった。
