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「あの、送ってくれてありがとうございました」

「いーえ。楽しかった、ありがとね」




そんなこんなでしっかり家まで送り届けてもらった私。

玄関先でそんな会話をし、「じゃあまた学校で」と言って三琴先輩が踵を返す。




「…え、三琴?」




───そんな声が聞こえたのは、その直後のことだった。





「なんでおまえが紘菜と……」

「…おー、翔斗」




三琴先輩に送ってもらってよかった、と本気で思った。一人だったら今朝みたいにあからさまに避けて感じ悪い態度をとってしまっていたことだろう。


ぎゅっと拳を握りしめ、視界になるべく翔斗を映さないように目を逸らす。




「紘菜と知り合いだったなんて聞いてねえんだけど」

「俺もおまえと紘菜ちゃんが知り合いだったなんて知らなかったよ」

「あー、うん、…幼馴染だから」