ずるいよ先輩、甘すぎます








「…三琴先輩の世界では、三琴先輩がヒーローですよ」

「え?」

「ぜったい大丈夫です。三琴先輩はしあわせになれます」




まだ知り合って2日だけど、なんとなく、彼の幸せを願わずにはいられなかった。




「ふ、よくわかんないけどありがと」

「いえ」

「紘菜ちゃんもヒロインになれるよ、ぜったい」

「そうですかね…ヒロインらしさが一つもないです」

「そんなことねーよ。俺が保障する」

「…そうですか」

「ん。送ってくから帰ろっか」

「…あ、…送られます」

「ん、そうしてくれると助かる」





三琴先輩はやっぱり優しい。