ああ、やだやだ。
同じ学校って最悪だ。
翔斗のことを追いかけて同じ高校になんて入るべきじゃなかった。
翔斗がひとつ年上だったから校内で会うリスクはそれだけでぐんと減ってはいるけれど、やっぱり顔を合わせるのはこわい。
昇降口は全学年同じ場所にあるし…これからしばらくは下校時間をずらすようにしよう。
翔斗の姿を見るたびに心がざわつくのは、いつまで続くのだろう。
こうやって毎回、彼の姿を見かけるたびに俯かないといけないのかな。
すぐに目を逸らしたけれど、隣に彼女っぽい女の子がいたような気がする。
翔斗に好いてもらっているラッキーな女の子。
羨ましくてしょうがない。
私の方がずっとずっと翔斗を見て来たのにな。
彼女がまだ知らない翔斗の秘密もたくさん知ってる。
でも、そんなの何一つ必要なかった。
思い出も過去もなくたって、愛だけで2人は結ばれた。
ずるい、くやしい、かなしい。
ああもう、油断したら心が壊れてしまいそうだ。



