「俺、今日すげー楽しみにしてて、……俺だけめちゃくちゃ張り切ってると思われたらどうしよって思ってたんだけど。良かったぁ、紘菜ちゃん浴衣着てくれて」


「……先輩はそのままでもかっこいいです、けど、甚平もすごい似合ってて……好きです」


「うわー…そーいうこと言うのやめよ?あー外でよかったここ 危ねー」





くしゃくしゃと襟足を掻いた先輩。

困っているみたいだ。先輩はすぐ顔に感情が出るので、今は照れているのが丸わかり。



だけどでも、先輩がかっこいいのは事実だからどうしようも無い。



ちなみに、先輩が言う「危ない」は、1年も付き合えばどういうことを指しているかもわかってくるもので、頬を赤く染める先輩につられ 私も恥ずかしくなって俯いた。



今日、花火を見たあとは 大学生になってから一人暮らしを始めた先輩の家に泊まることになっている。

そのことも相まって、余計に恥ずかしくなった。