私は3年生になり、三琴先輩は大学生になった。
去年のこの時期はまだ先輩とは付き合っていなくて、私は勝手に1人て春先輩のことでモヤモヤしていたので、一緒に行く約束はしたものの浴衣を着ることは出来なかったのだ。
三琴先輩に「浴衣見たかった」と言われて、あの時はただただやるせない気持ちになっていた。
あれから1年。
一年越しに、私は浴衣を着ていて、甚平を着た三琴先輩の隣に居る。
先輩が大学生になってからも、お互いを尊重しながら特別大きな喧嘩もなくお付き合いを続けているのが現状。
三琴先輩と寛太先輩は同じ大学に進学したので、休日にエナちゃんも含めて4人で遊んだりすることもしばしばあった。
至って良好な関係。
恋心は飽きることなく────…
「、可愛い」
「え」
いや、むしろ増す一方で困る。