外でデートをしている間でさえ、彼女に対して下心ばかり抱いてしまうような俺が、
────2人きりの部屋で冷静さを保っていられるわけが、無い。
泊まりなんて言い出したのは誰だっけ。
……いや、俺か、俺だった。
ずっと心臓がうるさい。
紘菜ちゃんに触れるのがずっと怖かったのは、触れたら最後、自分の気持ちが止まらなくなると思ったから。
でももう無理だ。
触れたって触れなくたって、俺は最初から戻れないところまで来ていたんだから、もう、我慢なんかできっこない。
「ごめんね、こんなに好きで」
「…っ、三琴先輩……っ」
「……絶対離さないから離れていかないでよ、」
「私の、台詞ですっ」
「ふは、うん。そっか」
「先輩がイヤって言っても追いかけます…、っ」
「そんなの言うわけねーじゃん」
「わ、わかんないじゃないですか。絶対は無いって世間は言ってます」
「じゃあ、俺が証明するよ。絶対はあるって」
俺にとってのヒロインは、もう、きみ以外考えられない。



