―side 三琴― 多分、俺は自分が思っているよりずっと重くてめんどくさい男なんだと思う。 「紘菜ちゃん、緊張してる……よね?」 「エッ」 「俺も緊張してる、ごめん」 顔を真っ赤にして俯く紘菜ちゃんが可愛くて仕方ない。 いや、可愛いなんて言葉じゃ収まらないかもしれない。 気を抜いたらあっという間に彼女の雰囲気に呑み込まれて────俺が、ぶっ壊れちゃいそうだ。