ずるいよ先輩、甘すぎます








「三琴先輩、お腹平気でしたか」




カツカレーを頬張る三琴先輩にそう訊くと、彼は口をもぐもぐさせながら首を横に振った。


口の中にあったご飯を呑み込んで、ようやく「いやぁ」と声を零す。




「お腹痛すぎてトイレに籠ってた。遅刻はギリセーフだったけど」

「三琴はいつもそうなんだよなぁ。中学の時もさ、失恋してやけ食いして次の日腹壊して学校休んでんの」

「ええ、三琴先輩って結構か弱いんですね」

「か弱いって。寛ちゃん、余計なこと言うなよなぁ」




「全部ホントのことだろ」という寛太先輩に、彼は「うるせー」と口をとがらせている。





「春とクラスが違うだけでまだお前救われたよな」

「、普通に名前出すなよ……」

「選ばれたのはお前じゃねーんだよ。現実見とけ?な?」

「うーわ辛辣…俺の傷みを分かってよ寛ちゃん」