「……まって、可愛すぎるでしょそれは」
「……もっと私でいっぱいになって、先輩」
「、無理、ほんと……俺、ダメになりそ」
三琴先輩といる時の私は 少しだけかわいくて、自分のことが好きになれる。
両手で覆って照れた顔を隠した三琴先輩。
指の隙間から目が合った。
どうやら、私が可愛くて困っている……みたいだ。
先輩はずるい。一つ一つが私の胸を鳴らす。
「…紘菜ちゃんのせいだから、ね」
「え」
ドォー……ン、
花火が上がった。
きっと私は、先輩と一緒に見たこの花火を一生忘れないんだと思う。
「……すっげえ、好き」
三琴先輩のくちびるが触れる。
優しくて、暖かくて、愛おしいキスだった。