春先輩の気持ちを考えたら辛いけれど、私が彼女に同情するのは違うと分かっている。
あの時、春先輩の気持ちが聞けてよかった。どちらかを下に見るのではなく、確かに平等に私たちはライバルになれていた。
お礼を言いたいのは私も同じだ。
春先輩と話していなかったら、私は今も三琴先輩と春先輩の気持ちを勝手に推測して遠慮していたかもしれない。
「いつの間に春と仲良くなってたの?」
「仲良くっていうか、女の都合で……」
「よくわかんないけど…何となく察したかも」
「…けど、私も春先輩には感謝してます」
「ん、そっか」
───いつか、何かの機会でまた話すことがあったら、私の口からありがとうを伝えたい。



