いつになく緊張するエナちゃんを見て、私もつられてドキドキしてしまう。



エナちゃんは優勝したら、彼女は寛太先輩に告白をする。

春先輩が優勝したら、彼女は三琴先輩に告白をする。



三琴先輩と寛太先輩の考えていることがいまいち分からないこともあり、朝から落ち着かなかった心臓はさらにばくばくと音を立てていた。




今日はまだ一度も三琴先輩に会っていない。


連絡も、お昼に一度他愛のないメッセージのやり取りをしただけで、今は送たスタンプに既読がついたままそこで終わっている。



ミスコンの優勝候補ということもあり、きっともうこの体育館の中のどこかにはいるんだと思うけれど、全校生徒がステージに向かって生徒がぎゅうぎゅうに集まっているので、見つけることは困難だろう。




「先輩たちどこにいるんだろうね」

「わかんない。…まあ、どうせステージに上がるからすぐわかるでしょ」

「エナちゃんも有名人だね」

「紘菜の友情票を信じる」

「ファン投票だってば」