「大槻さん、待ってるんじゃない?」

「うん、」


「大槻さんに伝えてほしいの、『ありがとう』って」

「…自分ではいわねーの?」


「先輩の、…元彼女のプライドがあるの」

「…そっか、わかった」




「…言い忘れてた。三琴、ミスコンおめでとう」

「春も」


「お互い準優勝なんて、イヤな運命だなぁ」

「けど、今年の優勝、ふさわしい2人だった」



「もうそろそろ体育館からみんな出てきちゃうかもね」

「ん。俺も、もう行くよ」


「…ありがとう、来てくれて」

「さっきも聞いたよ」


「うん。でもありがとう」

「…いーえ」






「───…ばいばい、」