「…ね、三琴。好きだったよ」 「うん…俺も、好きだった」 好きだった。 優しすぎるところも、すこしヘタレなところも、照れ屋なところも───全部、本当に好きだった。 三琴にとってのヒロインになれて、私はしあわせだった。 もう今日で終わりにしよう。 私も、きみを諦めて前に進むことにする。 私たちの間に、やさしい春は、もう来ないのだから。