「…あの子?」
───突然振られてわけもわからず劣等感に押しつぶされそうになってとりあえずラーメンやけ食いするしかやってけない気持ちがわかりますか
いまならわかるかもしれない。
今日なら、ラーメン10杯食べられるかもしれない。
パフェもパンケーキも5人前くらいいけちゃうかもなぁ……なんて、そんな気持ちが、今になってようやく分かった。
だれにもあげたくなかった。
奪えるものなら奪いたかった。
けれど、悔しいことに分かってしまうのだ。
「三琴の彼女が、教えてたくれたの」
───きみが、あの子に惹かれた理由が。



