「キレー…」

「楚々(そそ)って感じ」

「ああ、わかる」

「え。紘菜、'楚々'って意味わかんの?」

「エナちゃん私のことバカにし過ぎだよ。楚々ってさ、春先輩にピッタリだもん」




わかるよ、春先輩は'楚々'。



綺麗で、清楚で、美しいさまを言う言葉。

艶のある黒髪を片方だけ耳に掛けていて、透き通る白い肌が映えている。遠目で見てもわかる清潔感。流石ミスコンに出ているだけある。


春先輩の美しさは、今日もピカイチ。




あーあ。私も'楚々とした女性'だったら翔斗は振り向いてくれたのかな、なんて、そんなことを考えてしまう。



「三琴先輩だってすっごいカッコイイのね」

「イケメンだって完璧じゃないんだね」

「ホント。振られてやけ食いってさぁ、三琴先輩と紘菜の思考回路一緒なの面白すぎるよね。良いネタじゃん」

「エナちゃん、やけ食いはネタじゃないよ」