恋をしたのは1年生の夏。 蝉の声が響き渡る、或る日の放課後のことだった。 中学の頃から友達はあまりいなかった。 原因はありきたりなもので、男の子に媚びを売っているだとか、人の彼氏をとるだとか、女子の嫉妬が絶えなかったせいだ。 自分にそんなつもりがなくても、一度目をつけられたら終わり。 幸い、幼なじみのニナがいたので、新しく友達が欲しいとも思っていなかった。 けれど、高校でも女子からの反感を買いたくはなかったので、なるべくおとなしく過ごすようにした。