「…来てくれてありがとう」
「うん、」
「彼女、嫌がってたかな。……ごめんね」
「許可は貰って来たから平気だよ」
目が合わない……って、そりゃそうか。
この気まずさはどうにかなるものでもないし、きっとこの先も完全に消えることはないんだろうなということにはなんとなく気づいている。
軽音楽部のパフォーマンスがすべて終わったら、生徒たちが一斉に体育館を出てグラウンドに向かうだろう。
後夜祭の最後を締めくくる花火を見るためだ。
三琴のためにも、私のためにも、話は短く終わらせてしまおう。
「あのね、三琴」
私の声は、ひどく掠れていた。
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