「もし振られたら慰めてね」
「エナちゃんも、もし私振られたらなぐさ、」
「ないとは思うけど」
「わかんないよ…春先輩色仕掛けしちゃうかもしれないじゃん」
「美人の色仕掛けは せこすぎる。勝ち目無いわ」
「だよね…私なんて寄せて寄せてBなのに…」
「Bもあるの?本気?」
「まってつらい」
文化祭のすべてが終わった時、またこうしてエナちゃんと笑えますように。
そんなことを密かに願い、食べかけのあんみつに手を付ける。
私もちゃんと、現実をみなければ。
次に三琴先輩の顔を見たときに───愛おしさで泣きだしてしまわないように。