私が今日三琴先輩と会えるのは、彼が春先輩からの告白を受けた後だ。
ふと、前に真渡くんが言っていた言葉を思いだす。
――遠慮しなきゃいけない恋なんかないよ
――人を好きになるのに時間も立場も関係ない
春先輩とはあれっきり会っていなかった。
私は三琴先輩と学年が違うので、クラスがちがうことは分かっているけれど、学校生活で春先輩がどのくらい三琴先輩にアピールしていたかなどは何もしらないのだ。
けれど、彼女だからと言って、春先輩を止める権利はないと思っている。
そして、付き合っていようと三琴先輩の決断を否定することもできない。
だって、私がそうだったから。
春先輩のことが好きだと言う三琴先輩と時間を共有した過去があるから、人の行動をとがめることはできない。



