ずるいよ先輩、甘すぎます







───文化祭2日目。




「あー…エナちゃん…エナちゃん…」

「こわ。そんな連呼しないで」

「エナちゃあん……」




ついさっき、前半担当の仕事を終えて休憩に入った。



今日はエナちゃんとまわる約束をしていたので、1年生の模擬店の中にあった甘味処で、2人でお茶をしている最中、なんだけど。



1日目と打って変わり、朝から気が気ではなかった。



安定しない心を誤魔化すようにあんみつを食べる私と、そんな私を呆れたように見つめるエナちゃん。

はあ…とため息をつかれ、なんだか泣きたくなった。





「そんなに心配なら今から三琴先輩のとこ行けば…?」

「だ、だめだよ!これは女の勝負なんだもん」

「じゃあ情緒立て直して」

「うっ」




現実担当のエナちゃんは、今日はあんまり優しくなかった。

それを言えばきっと「だってそれが事実だから」って言われると思ったので言わないことにしたけれど。


私がうじうじしている原因は、昨晩の三琴先輩との会話にあった。