ずるいよ先輩、甘すぎます








そういう会話を突然振るのはやめてほしい。

先輩や後輩関係なく廊下を通る人がたくさんいるので、どこでだれに聞かれているかもわからないというのに。




「そ、そういう話はここではやめて」

「えー、なんで。だって次シフト被ってるのいつ?待てないんだけど」

「そのくらい待ってよ。ていうか、別に話すことなんて…」

「俺の察し能力なめないでほしいわー。この間と全然顔違うし、良い感じに解決したことくらいわかってるよ」




けらけらと笑う真渡くんに、私は返す言葉が見つからなかった。


そんなに顔にでていただろうか。


私がわかりやすいだけなのか、真渡くんの察し能力が飛びぬけているのか……いや、まあそんなことはどうでもいいんだけど。